おはようございます。
神谷です。
「孫子」という名前は、結構多くの方が知っているのではないかと思います。
もう一声「孫子の兵法」と言うと、もっとピンと来る方がいるかもしれません。
今の日本で「戦争に勝つ」というスキルが必要な人はごくわずかですね。
だから、「兵法」なんて知っても役に立たない・・・と思いきや、戦争に勝つためには力の強さだけではなく、技の熟練度だけでもなく、組織論を含めて、さまざまな事を検討しなければいけません。
そこで、「兵法」がいろいろなビジネスシーンにも役に立つことが多いのです。
そこで、2500年間色あせない「孫子」に学んでみようという事です。
本の構成
『実践版 孫子の兵法』は、5つの章に分かれていて、
第一章 『なぜ、勝てない戦いに挑むのか』
ビジネスに勝つ準備というモノを解説
第二章 『なぜ、根拠もないのに勝てると思うのか?』
失敗しそうなビジネスに乗り込むことへの戒め
第三章 『なぜ「戦わずにかつ」方法をとれないのか?』
ビジネスで勝つための西欧法的なアプローチの解説
第四章 『なぜ勝てるタイミングを逃してしまうのか』
ビジネスでの勝負どころを見極める方法
第五章 『なぜ、兵の「実力」を引き出せないのか?』
リーダー論
となっています。
章の中も細かく分かれていて、そこにも詳細な題名がついています。
今、ビジネスとして自分に必要なものを拾い読みしてもいいでしょう。
今回、鈴木弘毅氏の『実践版 孫子の兵法』を読んで、
「なるほど、これは!」
と思ったところを幾つか、ご紹介したいと思います。
失敗の情報を集める
何か新しいプロジェクトやビジネスを始めるとき、
「このプロジェクト(ビジネス)が成功した暁には、・・・・」
とイメージを膨らませることが大事です。
プロジェクトやビジネスを成功に導くため、似たような前例を調べることも大事。
しかし、『実践版 孫子の兵法』では、孫子のこんな言葉を引用しています。
不敗の態勢を作れるかどうかは自軍の態勢いかんによるが、勝機を見いだせるかどうかは敵の態勢いかんにかかっている。
したがって、どんな戦上手でも、不敗の態勢を固めることができるが、必勝の条件までは作り出すことができない。
ビジネスの「敵」とは何でしょう。
『実践版 孫子の兵法』では、「失敗」と位置付けているようです。
ですから、プロジェクトやビジネスを始める前には、
「同様の案件での失敗事例をたくさん探すのが良し」
と言っています。
本などでは、成功事例の話は多いかもしれませんが、失敗事例ってあんまりないですよね。
また、人から話を聞くのも、成功の話はしてくれるかもしれませんが、失敗の事例を話してくれる人って少ないと思います。
ましては、失敗の経験というのもかなり聞きにくい。
でも、これを読んで思ったことがあります。
成功の事例って、結構おおざっぱだけれど、失敗の事例って細かくて具体的。
失敗の事例の方がすぐに役立つことが多いのですね。
何か始めることがあったら、できるだけ失敗の話を聞く、調べる必要がありそうです。
計画を作るときに、失敗事例を出して、その失敗事例を避けるためにどのような対策をとっていくかということが書いてあると、説得力のある計画書ができるのではないでしょうか。
失敗事例を多く調べすぎて、やる気を失ってしまうのも困りものなのですが。
当たり前のことしか起こらない
「世の中は、当たり前のことしか起こらない」
正しい勝負を選んでいる方が勝つ。
常に準備をしている方が勝つ。
始め方に工夫をする方が勝つ。
見方をしてくれる人が多い方が勝つ。
優れた軍師がいる方が勝つ。
世の中は、意外に当たり前のことしか起こりません。
孫子の「不敗」とは、幸運に頼らない体制を作り上げることです。
まさに、「当たり前」のことが書いてあります。
しかし、意外とこのセオリーを無視して戦い(プロジェクトやビジネス)を始めてしまう例も多いのではないでしょうか?
そういえば、すごく昔のプロジェクトでしたが、どう考えても人の数が足りない、というプロジェクトでした。
しかし、みんなが1.5倍働けば、何とかなりそうだ。
1日8時間のところを12時間働けば、何とか工数が足りる・・・なんて、所から始めたのですから、最初から「負け」ですよね。
プロジェクトなんて、不測の事態が必ず発生するもんです。
そういう時のために、あとの0.5は余力として残しておかなくちゃいけないのに。
こんなプロジェクトは、最後には「神風」を期待するようになって・・・破たんです。
鈴木弘毅氏の『実践版 孫子の兵法』は孫子の兵法を様々なビジネスシーンに当てはめて、解説した本です。
ビジネスの多岐にわたって、「孫子」をベースに解説していますので、
「ちょっと、今の自分には当てはまらないな」
というところもあるかもしれませんが、上記に紹介したように孫子から学べることも多いと思います。
ご購入の際は、こちらからどうぞ。