おはようございます。
神谷です。
人気がありましたよね『夢をかなえるゾウ 』は。
私も、かなり前に読みました。
多くの場合、パート2はあまり面白くないとの相場ですが、『夢をかなえるゾウ』はどうなんでしょうか?
結論から言うと、
■ エンターテイメント的なところは、『夢をかなえるゾウ2』の方が面白いと思います。
■ 教訓的なことは、『夢をかなえるゾウ』の方が心に響くところが多いと思います。
小説としては面白くて、300ページ弱の本ですが、一気に読めました。
今度は、芸人だ!
今回、ガネーシャは、売れない芸人の元に舞い降ります。
芸人の名前は、「おでん芸人、西野勤太郎」。
いかにも、面白くなさそうな芸人です。
サラリーマンとして順調に暮らしていましたが、ある時から会社に行くのが怖くなっていきます。
勤太郎は、サラリーマンから芸人に転身したので、自分より年若い先輩芸人にイジメられながら、芸人の道をあきらめられません。
ある、新人芸人向けのショーに出たとき、変な観客が目の前に。
勤太郎が「スベル」と思ったところで大笑いされ、ネタのススメ方が狂わされ、頭が真っ白になり、会場を白けさせてしまったのでした。
その会場からの帰り、その、自分のお笑いを邪魔した観客に声を掛けられます。
「ワシとコンビ組へん?」
怪しい思いは持ちつつも、勤太郎は、変な観客=ガネーシャの話に乗り、コンビを組むことになります。
その時、ガネーシャは勤太郎の本気を引き出すために、サラ金や闇金から、300万円の借金をさせ、退路を断つという暴挙に出ます。
「どうやって、闇金にそんな大金を返すのか!」とガネーシャに尋ねると、「”ゴッド・オブ・コント”に優勝すればいい」というまったく売れない三流芸人の勤太郎に言い放ちます。
貧乏神の登場
朝起きると知らない女の人が部屋にいます。
勤太郎は気付きませんでしたが、実は勤太郎には貧乏神がついていました。
ガネーシャが来ることによって、貧乏神も見えてきます。
その貧乏神との出会いの部分を引用します。
「あ、あの、どなたでしたっけ」
僕がたずねると、女の人は小さく弱々しい声で言った。
「金無幸子と申します」
「亀梨さん?」
「いえ、金無です」
(カネナシ・・・・変わった名前だな)
しかし金無さんが変わっていたのは名前だけではなかった。
よくよく見てみると、黒くて長い髪はとぐろのように首に巻きつけられており、着ているワンピースはぼろぼろで、胸元には大きく「CP」と書かれてある。
金無さんの長い前髪の奥に見える顔は整っていた。
肌も真っ白で透明感がある。
暗い雰囲気に見えるのは髪が長すぎるからであって、もっと短くしたらかなりの美人になりそうだ。
この人が、貧乏神です。
さらに、釈迦も出てきて、勤太郎は「ゴッド・オブ・コント」を勝ち進んでいきます。
しかし、芸人仲間の松田が死神に取りつかれ、「ゴッド・オブ・コント」に優勝しないと、呪い殺されるということが分かり、勤太郎は松田の命を救うために、「ゴッド・オブ・コント」をあきらめることに。
さらに、勤太郎は、松田が「ゴッド・オブ・コント」で優勝するために、ネタを考え続けます。
そして、松田は「ゴッド・オブ・コント」で優勝します。
そして有名になった、松田のつてで勤太郎は放送作家として活躍する、という話になります。
だいぶ粗いあらすじですが、その物語の中に、いろいろな教訓を含ませて人生を教えてくれるのが、『夢をかなえるゾウ2』です。
ということで、『夢をかなえるゾウ2』が教えてくれることを少しずつ紹介します。
なぜ、勤太郎はサラリーマンをやめたのか
勤太郎はなぜ、芸人になったのか?
勤太郎は営業職のサラリーマンとしてそれなりに、実績を上げていました。
なぜ、辞めてしまったのか。
そのことが書いてあります。
それが、
「将来が見えてしまった」
ように思えたから。
引用してみます。
営業の仕事は僕に合っていたと思う。
可愛がってくれるお客さんもたくさんいたし、成績も悪くないほうだった。
でも、会社で働き始めて1年が経ち、2年が経つと、僕の心に変化が起きた。
今度は、会社に行くのが怖くなってきたのだ。
このまま毎朝同じ電車に揺られ、同じ作業を繰り返して一生を過ごしていくのだろうか。
僕の名前は誰にも知られず、何者にもなれないまま、この世界から消えていくのだろうか。
そんな思いがいつも頭の中をぐるぐると回り始め、朝起きるのが苦痛になり、夜、悪夢にうなされて飛び起きることもあった。
会社に勤めて分かったことがある。
それは、人間にとって一番怖いのは、将来が見えない事じゃなくて、将来が見えてしまうことなんだ。
1年2年でそうそう会社の将来が分かるとは思いません。
実は定年までやってみないと分からないところはたくさんあります。
でも、ほんとうに行く先まで見通せてしまったかという事とは別に、
「見えてしまう」
という感覚があるということがあります。
その見えてしまったものが、自分が望むものではない時、次なる世界に飛び出すきっかけになるのでしょうか?
見えてしまった将来の不満を持って暮らすより、見えない将来に希望を抱いて進むほうがいいのかもしれません。
次回につづきます。
しっかり、『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』を味わいたい方は、本を読んでくださいね。
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