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息抜き

オー・ヘンリーの警察の話 『林修の今でしょ!講座』 

2014-10-14

 こんばんは、神谷です。

 10月14日の『林修の今でしょ!講座 林修がこの秋学びたい3つの特別授業3時間SP』で、警察の話をしていました。

 警察の話自体は、そんなに感じるところはなかったのですが、警察つながりということで、林修先生のおススメした本、オー・ヘンリーの短編小説は興味が惹かれました。

 林先生の話では、オー・ヘンリーは銀行に勤めていた時横領の罪で警察に捕まったという経歴があるとのことで、警察関係の話はなかなか深いとのことでしたね。

『警官と讃美歌』

教会

 林修先生お薦めの1冊目は、『警官と讃美歌』です。

 この話は、読んだ覚えがあります。

 季節は冬、無気力のソーピーは何とか冬を越さなければいけないが、このままでは凍え死ぬかもしれないという状態。 

 彼が思い付いたのは、3カ月くらいの軽犯罪を起こして、警察で過ごすこと。

 ただ、人を傷つけるなんてことは思いもよばないソーピーは、無銭飲食を考える。

 しかし、ソーピーの自分の衣服から、レストランのボーイは、ソーピーの意図を察し、ソーピーはレストランから追い出されてしまう。

 腹が立ったソーピーは、投石で店のショーウィンドーを割ってしまう。

 そこに警官が来たことのをチャンスと見たソーピーは、自分がやったと警官に訴えるが、信用してもらえない。

 その後、いろいろやるがソーピーの願いは叶えられなかった。

 歩きながら、ソーピーは教会の前にたどり着く。

 <林先生が朗読部分:ここから引用>

 オルガン奏者が奏でる賛美歌を耳にしたソーピーは金網にしがみついた。というのも、かれは以前にその賛美歌を知っていたからだ。かつての、母とかバラとか大望とか友人とか汚れない思想とか純白といったものがあった日々に。

 感極まった精神状態と古めかしい教会の感化力が相重なって、ソーピーの魂は、突如として不思議なまでの変化を遂げた。たちまち、自分の存在を形作っていた数々のものごとに恐怖を感じた。自分が足を突っこんでいた陥穽、堕落した日々、取るにたりない願望、潰えた希望、だめになった才能、卑しい目的。

 そしてまた、かれの心もこの新鮮な雰囲気への感動に打ち震えた。瞬間的な強い衝動が、かれを絶望的な運命との戦いに走らせた。かれは自分の身上を泥沼から引きずりだした。かれはふたたび自分をとりもどした。かれは自分を支配していた邪悪を打ち払ったのだ。時間はある。かれはまだそれなりに若い。よみがえってきたかつての熱意に満ちた大望を、しくじることなく追いかけよう。あの厳粛でありながら甘美なオルガンの調べがかれの決意を固めさせた。

 新たなる希望が湧いてきたソーピーの肩を叩く男が。

 その男は警官だった。

 警官は、ソーピーを連行し、ソーピーに禁固3カ月の刑が下った。  

 なかなか、皮肉な話ですね。

 林先生は、人間ピタッと、いい時と悪い時が分かれることはなく、ある意味人生は混とんとしていることを現しているという感じのことを解説していたと思います。

 私が、この話を読んだのはたぶん、中学生の頃だったと思います。

 その頃は、あんまり意味も考えずに、

 「あ、これが落ちなので」

 くらいにしか感じませんでした。

 今ならいろいろ考えてしまいますね。

『よみがえった改心』

改心

 もう一つおススメしていたのが、『よみがえった改心』です。

 ジミィ・バレンタインは腕利きの金庫破り。

 出所して改心するどころか、すぐにまた金庫破りに精を出す。

 ベン・プライスは、その仕事をジミィ・バレンタインの仕業と見抜き、ジミィを追います。

 ジミィはある街で、銀行家の娘アナベル・アダムズに一目ぼれしてしまいました。

 そして、ジミィは偽名を使い、何とアナベルとの結婚までこぎつけます。

 そして、金庫破りを引退することを決意することに。

 しかし、ベン・プライスはジミィを見つけていて、ジミィが尻尾を出すのを見張っていたのでした。

 結婚の日取りが決まったある日、ジミィとアナベルの家族はアナベルの父の経営する銀行にいました。

 銀行では真新しい大型の金庫を導入したばかり。

 そこで、なんとアナベルの妹が金庫に閉じ込められてしまいます。

 金庫は時限式。

 開けることができません。

 金庫が開く時間には酸素が尽きてしまう可能性があります。

 ジミィは、昔の商売道具、金庫破りのツールを引っ張り出し、金庫を開けようとします。

 金庫は開き、妹は助かります。

 しかし、ジミィはベン・プライスがジミィを見張っていたことを知っています。

 ジミィは、観念してベンの元に向かいます。

 <引用>

 ジミィは、妙な笑みを浮かべたまま、こう言った。「やぁ、ベン。ついにやってきたか。それじゃあ、行こう。何を今さら、って感じになるのは否めないけど。」

 すると、ベン・プライスは、ちょっと変なそぶりを見せた。

 「何か誤解していらっしゃいませんか、スペンサー(ジミィの偽名)さん。わたしには、あなたが誰だったか、記憶にありませんね。そうそう、馬車がずっとあなたのことをお待ちですよ。」

 と、ベン・プライスはきびすを返して、ゆっくりと通りの向こうへ歩いていった。

 なかなか、受けるエンディングですね。

 ゲストの方もこの話にウルウル来ていました。

 しかし、林先生は、『警官と讃美歌』の方がお好みだったようです。

 私としては、好き嫌いと言えば、『よみがえった改心』の方がいいかもしれませんが、心にいつまでも残るのは、『警官と讃美歌』ですね。

 あなたはどちらですか?

 もっとよく知りたい方は、林修先生おススメのオー・ヘンリーの本を読んでくださいね。

 ご購入の際はこちらからどうぞ。

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